米国で10月のETF取引高が過去最高。大丈夫か?

水瀬ケンイチ

10月は米国株式の全売買高の40%近くをETF取引が占めたそうです。

【ロイター 2008/11/17より引用】
米国で10月のETF取引高が過去最高=BGI
 [東京 17日 ロイター] バークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)は14日、10月の米国株式市場で、上場投資信託(ETF)の取引高が過去最高レベルとなり、資金流入が加速したことを明らかにした。昨今の金融不安による世界の市場混乱などがその背景にあるという。
 BGIによると、10月は米国株式の全売買高の40%近くをETF取引が占めたほか、最も取引の多い証券上位10銘柄のうち、8銘柄がETFとなった。この8銘柄に中には同社のETFである「iシェアーズ・ラッセル2000・インデックス・ファンド(IWM)」や「iシェアーズ・MSCIエマージング・マーケット・インデックス・ファンド(EEM)」が含まれている。
 米国株式の全売買高に占めるETFのウエートは、8月は一日あたり平均売買高の28%、9月は同平均35%だった。
 また9─10月は、株式および債券のミューチュアルファンドから1267億ドルの資金流出となる一方、個人投資家や機関投資家が計610億ドルの資金を米国籍ETFにシフトするなど、投資家の多くは現在のポートフォリオから株式の個別銘柄保有リスクおよびカウンターパーティ・リスクを軽減する動きになっており、ETFを使ったより長期的なインデックス・エクスポージャーにシフトしている、という。
【引用おわり】

さすが、ETF先進国アメリカですね。
8月は28%、9月は35%、そして10月は40%近く。
だんだん比率が上がってきています。
金融危機で、投資家のリスク許容度が下がり、非システマティックリスクを取りづらくなったということなのかもしれません。



ETF=インデックス商品ではありませんが(若干アクティブ運用ETFもあるので)、ほとんどがインデックス商品だと言っていいと思います。
ETFに加えて、インデックスファンドも同じ理由で相当取引されたことと思います。

ここまでインデックス商品が幅を利かせてくると、インデックス投資が本来抱えている「効率市場のパラドックス」という本質的問題が気になってきてしまいます。
「現代ポートフォリオ理論」によると、インデックス投資が効率的であるためには、市場そのものが効率的でなければいけないことになっています(効率的市場仮説)。
それなのに、インデックス投資家がインデックス投資すればするほど、市場が非効率になっていくのです。なんたる自己矛盾。

まあ、そのうち相場が回復してくれば、ETFなどという退屈な投資ビークルはおいていかれ、人はエキサイティングでアクティブな個別株売買に乗り換えてくるでしょうから、長い目で見れば気にするまでもないのかもしれません。
それに、仮に効率的市場仮説が成り立たなくても、超低コストのETFは、それだけで有用な投資ビークルであり続けると思います。

(関連記事)
2006/12/29 インデックス投資はマイナーであるほうがよいが、過ぎてもいけない

関連記事
広告
投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ