バークレイズの海外ETF日本市場上場とACWI投入について

水瀬ケンイチ

バークレイズの責任者が、海外ETFの日本市場上場やACWIの投入についてコメントしている記事がありました。

【モーニングスター 2008/12/3より引用】

信用不安の最中に米国でETF売買が急増した理由は「透明性と流動性高いETFの商品性」=BGI・関塚氏

 米国株式が急落した10月、米国上場ETF(上場投資信託)の取引高が過去最高を達成した。ETF運用で世界最大手のバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)のシェアーズ営業総責任者・関塚健太郎氏に取引急増の理由と同社のETF戦略を聞いた。

――10月にETFの売買が大きく膨らみ、米国株式の全売買高に占めるETFの割合は4割に達したが、背景には何があるのか。
「10月に売買高が増加したのは、信用不安の中で投資家が透明性および流動性の高いETFを求めたためとみられる。一部の機関投資家は、投資銀行が発行した仕組み債やデリバティブなどの複雑な商品を売り、その代替商品としてETFに投資していた。背景には、どのような銘柄が組み込まれているか分かるというETFの透明性の高さがあったのだろう。また、相場が大幅に下落した局面では、自律反発を狙って『今この瞬間に買いたい』という投資家のニーズが高まり、リアルタイムで取引できるETFが応えた面もある。この点は基準価額が決まるのが1日1回という一般的な投資信託と異なるETFの特徴だ」

――日本の証券取引所に上場されているBGIのETFシリーズ(シェアーズ)は「iシェアーズ日経225(iS225)」 <1329> のみだが、他のETFを日本に上場する予定はないのか。
「BGIでは日本の投資家へETFを提供するにあたり最適な方法を常に検討している。日本の取引所で売買されるETFは流動性が低いという課題がある。売買高が低いと投資家が買いたい価格や売りたい価格で売買できず、取引コストが高くなる。日本の個人および機関投資家は、国内の証券会社を通じて米国市場に上場するシェアーズのETFに投資できる。流動性が高い海外市場で取引したいと考える日本の投資家が多いのではないだろうか」

――シェアーズのETFで特に日本の投資家に人気が高いのはどのような商品か。
「日本を除く主要先進国の株式市場に投資する『シェアーズ・MSCI・KOKUSAI(コクサイ)・インデックス・ファンド(TOK)』や新興国の株式市場を1本でカバーできる『シェアーズ・MSCI・エマージング・マーケット・インデックス(EEM)』は人気がある。また、原子力関連株に投資する『シェアーズ・S&P・グローバル・ニュークリア・エネルギー・インデックス・ファンド(NUCL)』など、テーマ型のETFの注目度も高い」

――先進国と新興国の主要株式市場を1本で網羅している「シェアーズ・MSCI・ACWI・インデックス・ファンド(ACWI)」を日本の証券会社を通じて売買できるようにして欲しいとの意見が個人投資家の間であるようだが、対応の予定はあるか。
「確かにネット証券などを通じてそうした要望を聞いており、検討はしているが、まだ具体的なことを言える段階ではない。ETFの魅力はプロの投資家が用いるような高度な投資ツールに個人もアクセスできる点であり、当社はETFを使った投資環境のグランドデザインを作るべく、国内の投資家および証券会社にニーズを聞きながら戦略を練っている」

【引用おわり】

バークレイズをしてこの及び腰状態。
個人投資家のコアとなるようなマトモなETFの日本市場上場は、しばらく期待できないのでしょうか。



また、ACWI投入についてなんだか勿体つけているようです。

「国内の投資家および証券会社にニーズを聞きながら戦略を練っている」とのことですが、ニーズを聞いているのなら、投入しない理由はいったい何なのでしょう。
投資家のニーズ(1本で手軽に国際分散投資を)ではなく、証券会社のニーズ(他の商品が売れなくなる)を優先しているのでは?とつい邪推してしまいます。

金融後進国の日本に、海外ETFを積極投入してきてくれた「パイオニア」のバークレイズさんですから、ぜひ、投資家の方を見て、英断を下していただきたいと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ